北海道での固定局(50W超え)を申請する場合、電波防護指針の適合を証明する資料を提出する必要があります。
この際に特に重要なのが住居のアンテナ設置位置を示す資料「住居見取り図平面図」「住居見取り図側面」これらを作成する時に特に重要なのが電界強度を計算する基準と成るアンテナの位置を明確に示す。このことがとても大切です。
具体的には敷地境界面までの水平距離(アンテナエレメントの最も近い位置から地面へ垂直に投影した位置からの距離)と実際のアンテナの高さ(地上高)。(※電界強度を計算するアンテナの高さは実際のアンテナの高さから人の高さ2mを引いた値で計算します)
これらを「住居見取り図平面図」「住居見取り図側面図」に明確に数値として記載し示す必要があります。私の場合は相対的に記載した数値から計算すれば出る様な見取り図を書いた為、【補正】無線局の変更申請(届)と成ってしまいました。
更に住居へのアンテナ線(同軸ケーブル等)取込み口の位置も記入する必要があります(高圧電気・交流300V直流750Vの扱いに相当)。関係者以外容易に人が入れない場所である場合以外で高さが2.5m以下の場合人の手に触れないようにカバー等をする必要があります。同軸ケーブルは絶縁されているのでとかいうのは通用しませんw
八木アンテナを使う場合には全ての八木アンテナの放射パターンのデータを必ず添付する必要があります。俯角減衰量を設定する場合は更に放射垂直パターンのデータも必要です。
私は八木アンテナの放射パターンのデータの提出は俯角減衰量を設定する場合だけ必要と思っていましたが、全ての八木アンテナの放射パターンデータが必要とご指摘を受け追加データ提出となりました。市販のアンテナを使用する場合は良いとして自作アンテナの場合はどうするのだろう!?シュミレーションソフトがあるのでそれで作成して提出すれば良いのでしょうか?機会があれば聞いてみたいと思います。
私はアンテナ位置の明記と上記のその他諸々で2回も補正申請を行う羽目にw
ですから、北海道総合通信局管内で固定局の申請をされる方はこれらの点について最初からきっちりと記入される事をお勧め致します。
ただでさえ防護指針にかかわる固定局を申請して免許されるまでには時間がものすごく掛かります。補正申請の度に1週間~10日は余計に日数が掛かります。
私の場合、6月8日に申請を出して本日8月6日現在まだ免許が下りていません。おそらく来週には審査終了に成ると思われますが2ヶ月以上掛かっています。
これから固定局の申請を行う方は、少しでも早く免許されるためにはこれらの事をきっちり記載した資料を作成される様にお勧め致します。
固定局と移動局の2つの免許の場合、固定局には50W以上の無線設備だけに限定した方が申請は楽ですよ。具体的にはHF~50MHz帯(50W以上)迄を固定局に移動局にはHF~50MHz帯(50W以下で使う場合)144MHz帯~上の周波数と分けます。なお現在の法律では固定局と移動局の設備共用は出来ません。二つの免許に同じ無線機を使う場合は2台必要になります。この辺り是正していただきたいですね。
最後に電波防護指針に適合しているかを計算するのに便利なソフトをご紹介しておきます。局免印刷 4 という便利なソフトをJK1IQKさんが開発・公開なさっています。本来は落成検査の資料を作成するための物なのですが電波防護指針確認の計算に便利に使えますのでこれで確認しつつ申請書を作成されるのが良いと思います。私は防護指針確認の資料としてこれを印刷して添付しました。
申請したけど電界強度がオーバーしていて差戻・却下されるなんて最悪ですからね。私の場合28MHz帯が基準値オーバーしていたのでアンテナの地上高を上げて対処しました。144MHz帯も結構ギリギリの数値でしたのでシングル八木をスタックにして俯角減衰量を大きくして対処しました。これで余裕を持って電界強度の基準値内に収めることが出来ました。
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